
?U. 今後の船員制度近代化のあり方
?U−1. 船員制度近代化の現状
1. 我が国船員制度近代化の現状
(1)甲・機両用教育 昭和55年以降近代化実験を進めていくに当たって、実験要員の確保及び近代化推進のため導入教育訓練が不可欠なことから海技大学校本校、児島及び七尾分校或は日本船舶福利雇用促進センター、各船社の施設等の陸上施設における近代化導入教育並びに教育訓練船における導入教育訓練が実施された。 陸上施設における導入教育については、昭和55年9月に海技大学校児島、七尾分校において「甲・機部員を対象とした近代化対応教育としての”海技講習”(DPC教育)が、昭和56年4月に海技大学校本校において職・部員を対象とした近代化課程(W/O教育)が開講された。 昭和58年4月には船員2法の改正による運航士、船舶技士の法制度化を受け、海技大学校において学制改革が行われ、本校では運航士(W/O)、(kW/O)の養成を、また児島、七尾分校では船舶技士(DPC)の養成を開始した。 その後、混乗化の進展に伴い外航海運各社の部員の採用が途絶えDPC講習の受講者が減少したため平成4年4月海技大学校七尾分校は廃校され、児島分校も平成5年及び平成6年の受講者は0名という状況であった。 一方、船舶職員法の改正により商船高等専門学校においては昭和58年度入学生から、商船大学においては昭和59年度入学生から運航士教育が開始された。 海員学校の高等科においても「船舶技士」の資格要件に適合するよう従来からの教科課程を強化し、58年度入学生から近代化対応教育を開始した。 また、航海訓練所においても、船舶職員法の改正により「運航士」教育に係わる実習訓練の内容等が定められ、実習訓練科目、実習訓練課程等の改正を行った。 船員制度近代化が推進される一方で深刻化する円高等の影響による外航海運の厳しい経済環境の影響を受け、船員教育機関である商船大学(東京、神戸の2校)、商船高等専門学校(富山、鳥羽、弓削、大島、広島の5校)、海員学校(小樽、唐津、宮古、口之津、清水、館山、沖縄、波方の8校)において学制改革が行われ今日に至っている。 昭和55年に始まった教育訓練船による導入教育訓練は、最盛期には170隻を越える訓練船によって実施されたが、商船大学、商船高等専門学校からの甲・機両用資格者である運航士の誕生或は外航海運への部員の不採用等により訓練対象者が減少し
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